過去の挨拶 副会長からの挨拶
副会長 竹田 宏
平成16年度東北大学電気・情報系同窓会長に村上治氏(東京在住、元NTT副社長)が就任され、副会長は仙台在住の名誉教授から選出するということで、西澤前会長の御推輓により年齢を顧みず 副会長をお引き受けすることになりました。
明治以来日本の発展に大きな貢献をしてきた国立大学が、平成16年4月から法人化されました。大学の法人化は、第2次大戦後の新制大学への移行以上の大改革と文部科学省は謳っていますが、この改革は大学の教育研究の充実を図る目的からの発想ではなく、小渕内閣の行財政改革に伴なう国家公務員の20%削除がきっかけであったことに、教官OBとして不安な点があります。
しかし競争原理の導入により、大学が活性化されることも期待されています。実学重視の伝統をもつ東北大学では、法人化に先立って工学部や電気通信研究所だけでなく全学的にも産学連携のための組織作りを行ってきました。特に最先端技術を担う電気・情報系の分野では、本同窓会員が所属する企業、研究機関からの資金導入や協同研究が国立大学時代より強く求められると思います。
同窓会の大きな意義の一つが、異なる組織あるいは年代の間で重要な情報交換が気楽に行えることだと思います。私の例で恐縮ですが、私は大学時代2年間休学したため、28年新・旧卒と29年卒の3学年にわたる友人がいて、東北大学と東北学院大学での学生の就職斡旋に多くの便宜を計って貰いました。
近年同窓会活動を学閥形成と勘違いする世の風潮や個人情報流失問題などの影響もあるかもしれませんが、本同窓会の会費納入率も低く活動も活発とはいえない状況です。同窓会は、俗にいう同じ釜の飯を食った連帯感を共有する人々の集まりであります。電気系同窓会は、現在ノーベル賞、文化勲章受賞者、文化功労者を擁しているばかりでなく、多くの分野で優秀なリーダーを輩出していることはわれわれにとって大きな誇りです。同窓会員の活躍は、優秀な後継者を東北大学へ引き寄せる原動力となり同窓会の更なる発展につながるでしょう。
私は副会長就任以来、同窓会本部および東京支部合同役員会に数回出席しましたが、大学側と企業側の考え方、少し大げさにいえば文化の違いを感ずることがあります。微力ではありますが、私は時に両者のトランスレーターの役割を果たし、老壮青会員が楽しく集まれるような同窓会を目指したいと思っております。
会員各位の御協力をよろしくお願い申し上げます。