過去の挨拶 会長からの挨拶

会長  村上 治

平成16年度から電気系同窓会会長をおおせつかりました、村上です。

前会長の西澤先生は令名赫々たる方でしたので、その後を継ぐ小生には自己紹介が必要かと思います。

私は、昭和28年(新制)通信工学科卒業で、同期には安達名誉教授 などがいます。卒業と同時に、前年8月に発足した電電公社に第一期生として入社しました。以来37年、日本の電話の拡充計画に参加し、最後は副社長で退任。その後、通信設備建設を業とする株式会社協和エクシオで社長、会長を歴任し、現在、同社相談役であります。

昭和28年というと、前年に朝鮮戦争が終わったばかりで、その特需もあり、日本経済もやっと立ち上がりつつあった時期であります。求人も少なく、就職戦線は極めて厳しい中で、加えて学制改革で、新・旧 2倍の学生が世に出るという状況から、月足らずの新制卒には一層の苦難が待ち構えていたのであります。

何とか電電公社にもぐり込んだのですが、当時の電話事情は全国の電話加入者150万、市外通話の大部分は、交換手に申し込んで数時間後にやっと繋いで貰うという有様。これを先進国並みの状況に出来るだけ効率的に到達することが、電電公社に課せられた使命で、昭和28年を起点として、4次にわたる5ヵ年計画で全国どこでもダイヤル一つでつながり、電話も申し込めば直ぐつく状況へということで、全社一丸となって取り組んだのです。

公社にも、元 本同窓会会長の緒方研二さんを始め、多くの東北大電気系の先輩方がご活躍で、大変にお世話になりました。

電電公社における後半20年近くは、電話の後の電気通信サービスが如何にあるべきか、といった技術開発に携わることなりました。

その頃の公衆電気通信は公社だけが担当していたので、技術開発の方向付けは極めて大きな影響がある訳で、大学の先生を始め、公共性の高い機関の技術開発の責任者でおられる方々のご意見を賜る場として、電気通信技術委員会というものが設けられており、東北大学からも多くの先生方をお迎えしたものです。

最後の頃は、佐藤先生、西澤先生にお願いしたのでしたが、こうして考えると、皆さん歴代電気系同窓会長であり、これも不思議なご縁であり、その後の会長の席を穢すのは誠に忸怩たるものがありますが、幸いにも副会長の竹田先生を始め、幹事の諸先生には練達の皆様がそろっておりますので、力強く思っております。

ところで、会長に就任し、改めて同窓会の事業内容を見て、いささか驚かされております。卒業生約1万人と聞いておりますが、同窓会費を納めていただいているのは約800人とのこと。年間300万円足らずの予算では、本会の目的である会員の親睦と向上発展のための十分な活動は、いささか無理のように思われます。少なくも50%を超える方々のご協力があれば、もっと大学と卒業生の連携も強化し、有益な情報の提供も可能になるのではないかと考えます。

時あたかも東北大学創立百周年を3年後に控え、記念事業への寄附要請が会員諸子にも届いていると思いますが、約10万人の卒業生が力を合わせれば、そう難しい募金目標ではないように思います。

そのような観点からも、本同窓会発展のため微力を尽くしたく、皆様のご協力をお願い申し上げます。

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