過去の挨拶 会長からの挨拶

会長  野口 正一

平成21年度から電気系同窓会会長を仰せつかった野口です。私は正式には昭和29年電気工学の卒業ですが、実際の同級生は昭和28年卒のメンバーです。当時旧制の高校・工専からの編入生は直接学部に編入されましたが、大学の方針で学部に3年間留年させられたことによります。

さて、事務局の話によりますと、本同窓会は80年の歴史を持ち、約1万3千名の会員を擁するとのこと。改めて本同窓会の重要さを認識しました。

私が専門とするICTの分野は、周知のようにこの50年間急速な進歩を遂げ、日本の産業の各分野に大きい影響を与えてきました。この間のICTの発展を見てみると、夫々の節目に大きい変化が見られます。1950~1980年代頃までは、メインフレームを中心とするコンピュータの世界であり、その覇者は言うまでもなくIBMでありました。

しかしながら、LSIの急速な発展は、1990年代頃から急速にコンピュータの歴史を変えてゆきます。すなわちクライアント・サーバ時代の始まりです。例えば1991年にLinuxがリリースされ、1994年にグーグルが創業し、Webブラウザ、そしてNetscape Navigatorがリリースされ、本格的なInternet活用の時代に入ります。そして2000年からは新しいWeb Computingの時代に入り、2010年から本格化するクラウドコンピューティングの時代のさきがけを作るわけです。ちなみに2006年にはアマゾンS3がサービスを、そして2008年にはグーグルがアップエンジンのサービスを開始しました。このように約10年を周期にICTの世界には革命的変化が生まれていますが、残念ながらそのすべての技術の源泉はアングロ・アメリカンのコンピュータ技術であります。この大きい流れの中で、日本のICTに関係する企業は構造的に大きい変革を迫られ、日本のICT企業の先途は必ずしも楽観視が許されません。

このような状況を考えたとき、東北大学電気系同窓会の会員諸君の活躍は、各企業の中で中枢的な役割を担っています。願わくは、東北大学電気系同窓会一万人の諸兄が今後色々な形で日本の産業の発展に先導的な大きい貢献を果たし、日本の発展の源泉になって欲しいと思います。

今後諸兄とともにがんばってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

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